生後4カ月のミミズは、あいうえお表のイラストを見るのが好きでした。「あ」にはあひるのイラスト、「い」にはいぬのイラストがあって、「あひるのあ、いぬのい…」と読んでいくと、とてもうれしそうに笑っていました。
あいうえおを学ぶことはフランス語のアルファべを学ぶことと同じで、読み書きの基本となることです。あいうえおを使って遊ばせることは日本語を習得するためにも大切かもしれません。
したがって、このころから絵本の開き読みをはじめるのもおすすめです。絵本を読んでも、何の反応もなく、絵本のページを握ったりすることもありますが、日本語や日本語の本と触れることができますし、ママが絵本を読む練習にもなります。
絵本の選び方は、評判のいい絵本とか、教育上おすすめの絵本とか、そういう視点で絵本を探すのもひとつです。でも、アタシは、好きな絵を描く絵本作家で選びます。アタシが大好きな絵本作家はいわさきちひろさんです。だから、あいうえおのほんもいわさきちひろさんの絵本にしました。
実際、この『あいうえおのほん』を読むようになったのはまだ先のことですが、数ページ読んでみたり、絵を見せたりしました。一日のうちのちょっとした時間にちょっとだけ触れるだけでもちがうような気がします。
日本で普通に暮らしていたら、赤ちゃんのまわりのすべての環境から日本語が入ってきて、自然と身に付くわけですが、アタシたちにはそういう環境がありません。だから、積極的に日本語や日本の文化を入れていかないと、日本語を身近に感じていくことはできません。でも、こういう小さな努力の積み重ねで日本語を習得できていったので、これからもずっと続けていこうと思っています。